Behind The Scene...クルーズの舞台裏日記

cruiseって楽しいよ!もと乗務員が語るてんやわんやの船上日記!

クルーズ船の中

私が初めて乗ったクルーズ船は

排水量5万トンの中型船だったけれど、

初乗船の感動はいまだに忘れられない。

 

船は、お客さん用とクルー用で基本的には別の出入り口を使う。

でも初乗船の時は気を使ってくれたのか、

お客さん用の入り口から中に入れてくれた。

 

第一声は「わー!」でしかない。

その時の入り口はちょうど船のど真ん中につながっていて

吹き抜けのホールに白いピアノと大きな花、

それをぐるりと囲むようにフロントやレストランの入り口があった。

基本の色調は赤。ゴージャスに見えるためにか

足元のじゅうたんも赤。

外から見る船も美しいが、この絢爛豪華さときたら!

もちろん後にもっと派手でもっと大きい船に乗るようになるのだけれど

やっぱりこの時の印象は今も鮮やかだ。

そして何隻も船を乗り換えたけど、今でも一番大好きなのはこの船だ。

残念ながらもう乗れなくなってしまったけれど…

 

クルーズ船は動くホテルといわれるが、ホテル並みかそれ以上に施設が充実している。

このサイズの船でも美容室免税店レストラン五つにカラオケバープール劇場

そしてアジアクルーズでは忘れちゃならないカジノが三つもあり

クルー用には食堂やバーがあった。

そしてそれ以外のところに客用とクルー用のキャビンがそれぞれあって

一つの船をなしている。

クルー用の施設は基本的に喫水線より下のデッキ。

万が一浸水したら一番危ないところですね。クルーよりお客様です。

ただし船長や一部高級船員はブリッジの近くやその前後のデッキに部屋がある。

偉い人は高いところがお好き。

と、まあ何かあったときにすぐデッキに駆け付けられるようにね。

 

メインのレストランやショップなどは真ん中付近のデッキに集中している。

船の真ん中は酔いづらいし、上下のお客さんが移動しやすいからかな。

あとは最上階にプールやいくつかのレストラン、バーがあって

初心者はなかなか迷う。

船の中は前後感覚がつかみづらいのだ。

大きな船は動いている感じがしないし、船の構造上

窓がない廊下が多い。

同じようなドアがずらっと続くゲストエリアでは

しょっちゅう道を見失うお客さんが発生したものだ。

クルーは基本的にゲストエリアをうろうろしてはいけないのだけれど

私は日本人客のケアというちょっと特殊な仕事だったので

ゲストエリアをうろうろせざるを得ず、最初はしょっちゅう迷子になっていた。。。